ヌリカベの様な素っ気ないデザイン　然し侮れない実力　三菱ジーガム　FIC-304

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商品の説明

73年発売、価格は￥17800。
全体的に非常にスッキリした、意地悪く言えば素っ気無いデザインの3バンドラジオです。
73年と言えば超ヒットモデルのソニーのスカイセンサー5800が発売され、ナショナルもクーガ115で短波対応を完了、世はBCLブームに沸いている時期でした。
日本の防衛産業を支えている一角である三菱電機としては自社の技術に自信もあり、おっとり刀でBCLブームに参入、その最初のトライアルがこのジーガム304だったのでしょうか。
小生のラジオを買っていただいていてウィットに富んだコメントを時折寄せてくれるお客様から
「まるでヌリカベの様な」と形容されたモデルが有り、ツボを押さえた表現だと思った事が有ります。そのモデルは実はこのジーガムでは無いのですが、小生の印象ではこのジーガムこそ「ヌリカベ」の称号に相応しいデザインだと思います。
操作部分の大半はトップパネルに集約して前面パネルにはボリュームとトーンのツマミしかなく、さながらヌリカベの様な無骨さです。
但し慣れて来ると無骨さが結構魅力的に見える不思議な一台です。
此方で扱うのは4台目程度で殆ど流通していないのですが、偶にネットで見るとすぐに売り切れてしまう人気モデルでもあります。
もう一つ、大きな前面パネルのバッフル効果かと思うのですが、メリハリの効いた良い音がします。
中身を見ると立派なアルニコの10cmスピーカーを使っていますが、意外な事に自社オーディオブランドのダイヤトーンでは無く、商売敵に近いパイオニア製です。ダイヤトーンは高かったのかしらん、と思ってしまいます。
三菱はこのモデルの後継機である404でダブルスーパーと言う凝った回路をポータブルラジオとしては初めて採用し、高性能モデルの評価を確立しますが、その前身たるこのモデルもどうしてどうして可也の高性能で、感度で言えば、ナショナル、ソニーの大御所に劣らぬ3番手にあると思います。
分解整備し難い凝った構成のボディで修理も整備も大変ですが、幸いにもそれが効いて密閉度が高く発売後50年経ってもトラブルの少ないモデルでもあります。
この個体はその意味で電気的なトラブルは無く、外装部にも欠品無し。アンテナ先端が四角のボックス型だったのは今回初めて知りました。
クリーニング、整備済み。全体としては綺麗でガリ等も無く、良い状態です。
電池、ACコード付き。